2025都民芸術フェスティバル日本舞踊協会公演を観てきました
- F towako
- 3月1日
- 読了時間: 2分
日本舞踊協会公演2月21日夜の部を観に行ってきました。
●長唄「雛鶴三番叟」
翁には貫禄がある重鎮、三番叟には秀麗な美女、千歳には愛らしい娘といった印象の三人の姫が登場。
初演は諸説あって定まっていないそうですが、歌舞伎役者の子供や若手女形が演じていたとされています。
能楽の「翁」に対して、現代にこの演目が女性舞踊家のためこうして残っているのは素晴らしいことだと感じたのは、配役がニンにあっていたことが大きいのかもしれません。
品格がありながらも、舞踊らしい華やかさがありました。
●奏風楽「海と空」
天地創造の昔より海と空は主導権を譲らず、億万年にわたり争っていたという壮大な話。
しかし、長い戦いが続き、次第に疲れ、お互いに相手の強さを称える、それは狐と狸のばかし合いのようだと、クスっと笑って腰を抜かす。
壮大な話かと思いきや、庶民らしいオチで平和に終わる。
初演が昭和44年ですから、現代の創作舞踊。
男性2人の素踊りが爽やかでした。
●清元「お染」
猿回しが出てくることで、少年と少女の暗い物語が、ただ悲劇一辺倒になるのではなく、世間知らずの幼さを二人の魅力として際立たせてくれる。
女性の体と声で、踊らずに幼い若衆を演じるのは大変な苦労だと思います。貴重な経験。素晴らしい。
「太鼓の撥がむっくり~~~~、しゃんとおっ立って~~」という男性を表す卑猥な歌詞の部分はカットされていたと、後日、清元の先生が教えてくれました。
時代でしょうか。ただの上演時間の都合でしょうか。
●長唄「狸屋島」
8人の舞踊家による素踊り。
源平の屋島の合戦を、狸と兎の戦いにしてコミカルに描いた作品。
狸と兎の戦い・・・そう、カチカチ山の屋島バージョンですね。
最後は狸軍の泥船は沈み、兎軍の木船も流され白波に消えていく・・・
日本舞踊に馴染みのない人にもわかりやすく楽しめると思いました。
●長唄「連獅子」
歌舞伎でも人気の演目で、本当の親子で演じられることもあり、親子の情を感じられる作品ですが、今回は一味違いました。
子供が仔獅子を演じると、リアルな健気さを感じとれますが、今回、仔獅子を演じたのは身体能力の高い大人の男性。獅子が霊獣であることを改めて認識させられました。すごい迫力でした。
後半、獅子頭をつけて仔獅子が花道を下がっていく場面、あれが谷落としを表している事を今回の解説で初めて知りました。
今まで、毛を踏んでしまわないようにする足取りは大変だろうなぁなどと考えて見ておりました。反省。

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