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日本舞踊の魅力:習っても、舞台を観ても楽しい

  • 執筆者の写真: F towako
    F towako
  • 2024年11月29日
  • 読了時間: 3分

日本舞踊を習っていれば、和の心を学び楽しみ、身体的なメリットも多く得られますが、

日本舞踊を習っていなくても、舞台を観るだけでも楽しむことができます。


先日開催された、横浜能楽堂 芸術監督の中村雅之館長と、日本舞踊家 藤間恵都子先生によるトークイベントの時に、この楽しむヒントがありました。


中村館長がプロデュースについて「場所・何を演じるか・誰が演じるか、この3つの組み合わせがプロデュース力」という話をされていました。


これは、舞台を観て楽しむポイントでもあると納得。


現在、国立劇場が閉館という悲観的状況にありますが、

違う一面に目を向けてみれば、日本舞踊は様々なホールや能楽堂で開催されるようになり、場所・演目・演者の3つの組み合わせを楽しむことができるとも言えます。


いくつもある能楽堂は、それぞれ雰囲気が違いますし、

ホールも構造そのものだけではなく、その建物がある街並みによっても雰囲気が違います。


藤間恵都子先生からは、額縁舞台・花道がある舞台・能楽堂・野外などの場所の違いについて演者としてのコメントがありました。

その中でも特に興味深かったのは、野外では壁がないから、四方八方に気がそのまま放射されて戻ってこないので、気の放ち方が違うというお話でした。



今回のトークイベントでは、昨年10月に横浜能楽堂で上演された日本舞踊「綱館」記録映像の鑑賞もありました。


能楽堂という場所で、

能「羅生門」の後日譚となる演目「綱館」、

演者は、老女として現れた曲舞を見せた後、鬼神となって渡辺綱との緊迫感のあるやりとりを見せる。この見どころである柔・剛の両面を演じられるプロはやっぱり藤間恵都子先生で間違いなし。

場所・演目・演者の3つの組み合わせは大成功です。



そして、芸術の秋ということもあり、いくつかの舞台を拝見する機会がありました。


ある能楽堂で開催された日本舞踊の会は、リサイタルということもあり、演者が自分が表現したい創作をストレートにぶつけている小気味良さを体験することができましたし、


別の能楽堂で開催された会は、能楽堂ならではの演出で、いつもの日本舞踊とは違う雰囲気を味わうことができました。


また、他の踊りの会では、そのホールがある地区で活躍されている舞踊家達が作り上げているアットホームな雰囲気で締めくくった舞台と客席との距離の近さには、歌舞伎舞踊らしい庶民的な楽しさがあり、


また、浅草公会堂で開催されたある会は、女踊りだけで構成されており、浅草新春歌舞伎を観た後に感じる街並みとは異なり、まるで芸者衆の色気がある街並みのように感じました。



一曲の踊りを見る魅力としては、音楽・衣装・舞台装置・小道具、さらには演目にあったキャラクター作りなど総合した雰囲気を楽しむことができますが、


踊りの会全体をみると、主催者の場所・演目・演者の3つの組み合わせのプロデュース力に、主催者の想いを感じ取れるかもしれません。

国立劇場が閉館している今、悲観ばかりもしていられないので、こんな時だからこそ、踊りの会の主催者のプロデュース力を楽しんでみてはいかがでしょうか。




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ようこそ、藤間都倭子です。
藤間都倭子

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