舞台を値段で評価?
- F towako

- 2024年12月7日
- 読了時間: 2分
昨日、三味線のプロと話していた時に聞いた。
過去に日本舞踊の舞台で、男性の三味線奏者たちの中に混ざって女性がいるのを見たある客が、その舞台を「安い舞台」と言ったと。
お客様から受ける芸の良し悪し評価ならば受け入れられるだろうが、お金で評価されたら下世話と感じるし、演者や主催者をはじめとする舞台関係者を困惑させ、傷つける。何とも悲しくなる話。
一般社会では、女性の平均年収は男性よりも低いというのはよく知られているが・・・実際に、女性の演奏者だからといって、安くなるのかどうかは不明なはず。だからその発言に何らかの悪意か権威をかざしているように感じる。
それを聞いた時、今話題の、年金財政検証とモデル年金の将来見通しのことを思い出した。
検証結果では、女性や高齢者の労働参加が進み、年金財政が改善されたという。
検証結果を受けた制度改革は、必ずしも万人向けではない。誰かにとって負担が増えるかもしれないが、その時代にあった働き方の、持続可能な制度になる。
社会が持続可能になることを目指すように、伝統芸能の世界も持続可能なものにするためには、考え方を変えなければならないのではないかと。
男性に混じって立つ女性の舞台を「安い」と言った客の話をしてくれたプロの男性は、未熟な若い男性よりも実力のある女性もいるのに・・・と、成長の機会が奪われることによる次世代を危惧しながら、複雑な顔で話されていた。
一般社会において、女性と高齢者の労働参加率の上昇が、みんなにとっての持続可能な世の中になっていくように、伝統芸能においても、身体能力を超えて努力する女性と高齢者が持続可能にしていくかもしれない。
観る人も観る力をつけないと持続可能にはならない。




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