能と日本舞踊の違い
- F towako
- 2月2日
- 読了時間: 2分
更新日:8月11日
和のお稽古としても古くから浸透している能と日本舞踊、
「腰を入れて、足を摺って歩く、舞台を強く踏み鳴らす」
こうした基本動作に共通点が見られますが、大きな違いもあります。
まず、日本舞踊は三味線音楽ですが、
能は笛・小鼓・大鼓・太鼓の囃子という音楽性の違いがあります。
そして、武家社会で好まれた能に対して、町民など庶民に親しまれた歌舞伎舞踊や日本舞踊は、雰囲気が大きく異なります。
能の良さは「存在の重さ」にある一方、日本舞踊は必ずしも「重さ」だけで評価できないことです。
見た目が似ている基本動作の足の使い方でも、
日本舞踊や歌舞伎では「摺り足」と言いますが、
能では「ハコビ」と言われます。
多くの演目がレクイエムである能。能の仕舞を観て、何かわからないけど「いいな」と感じる時は必ず「存在の重さ」を感じます。
能はただ立っているだけで「存在の重さ」を感じさせなければならない。だから摺り足ではなくハコビと言うのかもしれません。
天女の舞であっても、幽霊のシテがすぅ~っと現れる時であっても、無駄を全て削ぎ落としたブレのない「存在の重さ」に魅了されます。
一方、歌舞伎舞踊や日本舞踊は江戸時代の庶民を題材にした「世話物」や、踊り地という場面では軽やかな足取りで踊るものも多くあります。
「軽妙洒脱」という褒め言葉がある通り「軽さ」が良いと感じる演目も多くあります。
歌舞伎や日本舞踊にも、能を元にした演目が多くありますが、存在の重さではなく豪快であったり、絢爛であったりします。
例えば、能の道成寺と、歌舞伎や日本舞踊の「道成寺物」と呼ばれる作品群とでは作風が大きく違います。
しかし、京舞の井上流だけは別物です。
こちらの記事の地歌「珠取海士」で書いているとおり、能にとても近い唯一の日本舞踊と言えます。
能と日本舞踊の違いを、お稽古をしたり、体験イベントに参加したり、舞台を鑑賞して、ぜひ味わってみてください。

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