

小袖曽我:歌舞伎舞踊と能の違いを実感した公演
800年以上昔の曽我兄弟による仇討ち。これを題材にした作品は「曽我物」と呼ばれ、数多くある。 先日、日本舞踊協会の公演にて、歌舞伎舞踊の形式の「小袖曽我」を観た。 能の「小袖曽我」では、主役であるシテは兄の十郎。しかし、弟の五郎も両シテと言われるほど重要な役とされる。 父の仇討ちを遂げたい曽我兄弟は、母の住む里にやってきて、最後の別れをする。 「家」という当時の社会構造の重要性や、「家族」という絆や愛が描かれている。 武士の教養だった能に対し、庶民の娯楽であった歌舞伎。 今回の舞踊劇「小袖曽我」という演目にもその違いがある。 同じく曽我物である、歌舞伎で人気の「寿曽我対面」では、主役は弟の五郎が荒事として描かれている。 今回の舞踊公演での「小袖曽我」でも五郎は血気盛んな若者であったが、女性舞踊家が演じているだけあって、母を慕い敬う気持ち、兄を慕い共に仇討ちにかける熱情などが舞台に充満していて見応えがあって楽しめた。 しかし、一点だけ、どうしても腑に落ちない場面があった。それは… 【腰元が勘当を解いてくれと母に言った場面】 (私の心の声:えっ?!勘


日本舞踊のお稽古場の諸事情
日本舞踊に関することを様々な視点で調べようと、Yahoo知恵袋とか、発言小町などを読んでみると、ネットに書かれていることが、どこまで本当かどうかわかりませんが、いろんな先生・お稽古場があるのだなぁと驚かされます。 しかし実際に、私が耳にした、数年前の歌舞伎座でのこと・・・ 終演後に出口に向かっていた時、後ろを歩いていた女性の話声が聞こえてきて 「日本舞踊を習っていたけど、お稽古場に行くと、お稽古をはじめる前に、先生と弟子たちによるお茶タイムが始まり、長い時には2時間以上お茶タイムが続く、日本舞踊やる人はそういう時間が有り余った人たちのものだよ、だから私は辞めた」 と言っているのが聞こえてきたので、振り返って「そんな所ばかりではないから他で続けてください」と言いたかった・・・が、黙って出口に進みました。 その時は(そんなお稽古場ってあるの!?)と信じられませんでしたが、ネットの口コミをみると、本当にいろんなお稽古場事情があるのだと驚かされます。 特に地方では、お稽古場の選択肢がとても少なく、続けることが困難な事情があることも、ネットなどで理解しまし


「日本遺産」を勉強中
酷暑が過ぎ去ると見え始めた9月に入った時、そろそろ旅行の計画でも立ててみようかと思いたったのですが、 いつも旅行といえば能を観るついでに京都観光をするとか、邦楽や能楽にゆかりのある土地への旅行をすることが多いので、 何か違うところに行ってみたいと思って色々と検索していくうち...


日本舞踊が上手くなるために必要なこと
AIでは答えられない、まだ世に蔓延っていない部分に焦点を当ててみた。 それは「伸び代」を作ること。 人間国宝でさえ、自身のことを「自分はまだまだ」という。 最初は謙遜しているのかと思ったが、自分で芸の天井を作ってしまうことに恐れているのかとも思うようになった。...


能も日本舞踊もどちらも素晴らしい:巴御前
2025年7月6日、観世能楽堂にて、坂口貴信師の「巴」を観た。 この人の舞姿はいつみても美しい。 「かくて御前を立ち上がり。見れば敵の大勢。あれは巴か女武者〜」からの舞姿は期待通りの勇壮な美しさが際立つ舞姿だった。 しかし、それ以上に良かったのは、その後の、義仲を置いていく時の思い入れに、胸を打たれた。この場面のために、この能が作られているように思えるほどだった。終わってからしばらく余韻が残りすぐに立ち上がれなかった。 一般的に知られている物語では、巴は義仲から東国に落ち延びるよう命ぜられて立ち去り、義仲の最期を見届けたのは兼平のはず。 なぜ能「巴」ではここで義仲を死なせる物語にしたのだろうかと、疑問だったが、この舞台を観て腑に落ちた。 さて、日本舞踊の方はというと、2023年7月22日に国立劇場で開催された二人会で観た巴御前が印象的でした。 「二人会」というのは藤間恵都子先生と、花柳基師による踊りの会。お二方とも国の重要無形文化財として指定された、総合認定の保持者ですから、見応え十分。 この時、披露されたのが新作、義太夫「鳰の湖(におのうみ)


伝統芸能のお稽古をしている人に知ってもらいたいこと
日本舞踊のお稽古をしている人ならば、どうしたら上手くなるのだろうか、どうやったらもっと上達するのだろうか、あの人の芸はなぜこんなにも私を惹きつけるのだろうか、どうやったらあのようになれるのか、そんな疑問を常に持っていると思います。...


踊りのため(?)に栄養をチェックする5つのポイント
日本舞踊を40代50代から始めるなら栄養もチェックしましょう!


2025都民芸術フェスティバル日本舞踊協会公演を観てきました
日本舞踊協会公演2月21日夜の部を観に行ってきました。 ●長唄「雛鶴三番叟」 翁には貫禄がある重鎮、三番叟には秀麗な美女、千歳には愛らしい娘といった印象の三人の姫が登場。 初演は諸説あって定まっていないそうですが、歌舞伎役者の子供や若手女形が演じていたとされています。 能楽の「翁」に対して、現代にこの演目が女性舞踊家のためこうして残っているのは素晴らしいことだと感じたのは、配役がニンにあっていたことが大きいのかもしれません。 品格がありながらも、舞踊らしい華やかさがありました。 ●奏風楽「海と空」 天地創造の昔より海と空は主導権を譲らず、億万年にわたり争っていたという壮大な話。 しかし、長い戦いが続き、次第に疲れ、お互いに相手の強さを称える、それは狐と狸のばかし合いのようだと、クスっと笑って腰を抜かす。 壮大な話かと思いきや、庶民らしいオチで平和に終わる。 初演が昭和44年ですから、現代の創作舞踊。 男性2人の素踊りが爽やかでした。 ●清元「お染」 猿回しが出てくることで、少年と少女の暗い物語が、ただ悲劇一辺倒になるのではなく、世間知らずの幼さを


日本舞踊のお稽古に向かない浴衣
日本舞踊のお稽古は、主に浴衣を着ます。 お稽古場の先輩は、先生が着物でお稽古をするようになったら、弟子も着物にすると言っておりましたが、汗っかきの私は一年中、浴衣を着ています。 日本舞踊は、袖を使う振りが色々あるので、浴衣のサイズは重要です。...


能と日本舞踊の違い
和のお稽古としても古くから浸透している能と日本舞踊、 「腰を入れて、足を摺って歩く、舞台を強く踏み鳴らす」 こうした基本動作に共通点が見られますが、大きな違いもあります。 まず、日本舞踊は三味線音楽ですが、 能は笛・小鼓・大鼓・太鼓の囃子という音楽性の違いがあります。...

